日記的なサムシング

長文置き場

バディミッションBOND

GW何のゲームやろうかな~なんて考えてたらいっせいトライアルで横から2tトラックが突っ込んできて引きずり回されているというお話です。例の如く前半は極力ネタバレなし、後半は各メインキャラの印象についてです。

こんなはずではなかったという話

 ツイッターから離れられないオタクのなので「バディミはやばい」という話は日々耳にしており、絶賛してるフォロワーも数人いるなんて状態だったのでなんとなくどんなゲームなのかはある程度知ってたんですよね。メインキャラの名前もほとんど覚えてたし。そもそも情報解禁された日のニンダイ多分リアタイしてたし。そん時PV見てなんとなく面白そうだな~と思ってそのまま発売数か月ほど特に大きな告知もなく公式がすげー静かにしてたのも知ってたんですよ。でもって私はツイッターのオタクなので、その後のツイッタでのオタク達の勢いを眺めながらいつかやりたいな~なんてのんびり考えており、そんな時に満を持してのいっせいトライアルだったわけです。GWでもなきゃこんなボリュームたっぷりのフルプライスADVタイトルのトライアルなんてできないと思うしその枠にこのゲームが選ばれたってのもすごい話だと思います。ともあれ絶好の機会なのでダウンロードしてメインシナリオ1周くらいさらえればいいかな~なんて思っていた私が迂闊だった。何故「だいたいツイッターで見たり聞いたりしたことあるし大丈夫やろ」なんて思ってたのか、つまりそういうことです。
 …真面目な話面白かった点については前評判の通りでした。緻密に伏線の貼られたシナリオ、各キャラクターの関係性が細かく練られておりつつ個人としての筋はきちんと通っており気持ちがよいなど。様々聞いていたからこそ油断していたみたいなところもあって、ちゃんと聞いてた通りの部分が予想以上に良かったので特に後半はぶっ続けでプレイした。だって続き気になって仕方ないし… 個人的に特に良かったなと思うのが"歩み寄る姿勢"の描き方かなと思います。いやこのゲームやった人は全員そう考えるとは思うんだけども。シナリオに触れずにここ説明するの難しいんだけど、PVや公式サイト見ただけでもわかる通り個性の尖ったキャラの多いゲームで、それぞれに思い出やら守りたいものやら背負った罪やら美学があり、それぞれを尊重し自分の一部とする過程や姿勢の描き方が丁寧で優しいところがとても素敵だと思いました。

以下ネタバレ含みます。





ルークとアーロン


 推しカプこの二人の話しようとするとどうしても煩悩が混じることを先にお詫び申し上げます(埋め込んでるツイートは私のバディミ感想のサビです)
 初めて盗みを働いた日のエピソードがあるのがよかったなぁ。過去のルーク少年と怪盗ビーストとの分岐点って感じで。私が見ていないだけでアーロンが初めて今の名前を名乗った日の描写もあるのか?そこ気になって眠れんです。家族とルーク以外のこと名前で呼びませんけどルークのこと家族だと思ってるってことですか?ED後ナチュラルに晩飯作るの手伝ってて震えた。いやまた話が脱線しとるな。M1で出会った時点で何も覚えてないルークにショックを受けつつもそれでもヒーローのままでいてくれたルーク見てるとめちゃくちゃ嬉しかったんだろうな…なんせ何も覚えてなくても助けに来てくれたんだもんな…ヒーローやっぱヒーローだなって…思って…かつて沢山助けてくれた自分のことも覚えておらず彼を助けた結果アーロンの生活は一変して…それでもその結果ヒーローは元気に生きていてくれたことがわかって…でもそんなこと全部伝えたところで今の彼の日常を奪うだけだから何も言わず…誰にもこんなこと言えんから腕輪盗ったりしてちょっかいを…!?!?!?!?!?お前…お前ってやつは…ずっと…どんな気持ちで…ルークが全て思い出してくれた時はどんなに…お前どんな気持ちだったんだよずっと!!!!!!!!!!!!!!
 M16よかったなぁ。自分を構成する一番大きいものだった父親の存在が虚構だっただけでなくその父親からもつながりを見限られて本当に何もなくなってしまった、今まで信じてきた、心の拠り所だったもののほぼ全てを失ってもなおヒーローでいられる心の強さが半端ないなと。勿論失っただけでなくこれまでのルークがつないできたもの、人との絆がたくさんできてたわけだけど絶対今までと同じように父親を支柱にすることはもうできないわけで、それでもこれまで目指してきたヒーローの道を見失わず歪まず腐らずまっすぐ歩いて行けるのが眩しんだおれには。これはチェズレイとのバディエピ見た時も思ったことだけど"相手の行いに対する良し悪しの考え"と"相手から感じた教訓、学んだ考え方を自分の中に活かすこと"の部分を分けて考えるのが非常に上手く、例えばエドワードに対しても"非道な研究のために自分含む多くの人々を騙し手にかけた"という行いに対してはエドワードがそう考えるようになった過程がどうであれ絶対に許さないし、なおかつ"自分を育てヒーローの心意気を教えてくれた父親"に対しては多分今でも感謝できるんだよな。振る舞いがワン公なので幼く見えるけど彼自身の考え方なんか見てるととても精神が成熟しているんだと思う。だからみんなついてきてくれるんやで!

モクマとチェズレイ

 彼らのエピソードだけでなく他バディエピに出張してるこの二人の会話さえもずっと様子がおかしいんだが…いや何がってチェズレイの正妻っぷりが抜きんでてるというか、チェズレイなりに様々感情を咀嚼した結果君は納得してルークの母(!?)かつモクマさんの嫁(!?!?)に落ち着いたのかもしれんがただでさえ自分からの説明が抽象的なチェズレイの思考を辿れるやつはそうそういないんですよということを奴に教えてやってくれ
 ナデシコと別れた日のお互いのセリフに20年越しに厚みが出るの良いな~と思ったけどモクマさんがあの状態から今の軽口連発おじさんになるまでの過程がめちゃくちゃ気になるな…何を言えば冗談になるのかすらわからなさそうなあの愚直な若造が…
 二人のバディエピの最後の手袋外すのすごいよかったな。チェズレイの潔癖症自体はガチなんだろうけどチェズレイが嫌ってる汚れってつまるところ"濁り"の風味も大きく、モクマさんと自分の中に宿る濁りを受け入れられるようになったからこその素手での指切りだったんだと思うと感慨深い。作中で再三言われてることだけどチェズレイ自身面倒見もよければ結構人を信じたいと思ってる奴なんだよなってことがときどき浮かんでくるのが面白い。

シキとイアン

 このコンビそれぞれルークifとアーロンifなんだなってお話見かけてなるほど~ってなりました。アナザーエンド限定の話ではあるがこの二人がそれぞれ"ヒーロー側に立てなかった者"なのにも関わらずちゃんと幸せになれているのが良いなと思います。ノーマルエンドだと救われなさすぎる二人ではあるが…ファントムが死んだらシキはその後どうやって生きていくんだ…???アナザーでスイちゃんが両親からもらった愛を今度はシキに贈ろうとしてるのが素敵だったのでドラマCD聞きたいです(血眼) でもAI両親を生み出すのはヤバすぎるしいつか精神を病むと思うのでのでやめといたほうがいいと思うぞ!それは虚構だ

スイ、ナデシコ

 この二人のサイドエピソードテキストが良すぎる。ナデシコさんが右と言ったらすべてが右になる…スイちゃんのかわいいところを引き出してくれるナデシコさんとナデシコさんのかわいいところ引き出しくれるスイちゃんのやり取りずっと見てぇよ ナデシコさんとモクマさんが顔を合わせてなかった20年の間に酸いも甘いも噛分けてきたんだなって貫禄が言動の端々に現れていてるのがかっこよかったなぁ。極めつけはモクマさんのことを「初恋だった」と一切の恥じらいもなく言ってしまえるのがまだ若く青かった頃の自分と今の自分は変わってしまっているという諦観、後悔を帯びながらも彼女が今の強さを手に入れた証なんだろうな。そういう後悔を捨てきれずにいるからこそ今まさに青く瑞々しいスイちゃんのことが本当に眩しい。スイちゃんはルークのことを追いかけてくれるのできっとこれからも擦れないという安心感がある。サワールみたいな奴の処理はナデシコさんと裏方のシキが徹底的にやってくれるし壁にぶち当たった時にはルークが一緒に壁を壊してくれるので曇る心配もなくまっすぐ育つんだろうなぁ。てかアーロンそこは見抜けてんのかよ!

フウガ、ファントム

 なんでこの二人まとめたの?ガキの頃のフウガとモクマのやり取りは見ててやりきれんなぁ…だってまだ二人とも子供じゃないですか…自分の感情の正体が何なのかわからなくて当然だし他人が自分を見る目の正体がわからなくたって仕方ないじゃん…フウガはどうしたら救ってやれたんだろうな。そもそもモクマがフウガを避けるようになった理由はフウガがモクマに執着するからだし、じゃあなんでフウガはモクマに執着するのかっていうと自分を見ない誰もがモクマを見ることももちろんそうだけどそもそもモクマが自分を見てくれないからなわけだし。当時のモクマにフウガと向き合えと諭すことも違うと思うし、フウガにモクマを意識するなと諭すことも違うし。タンバの死がなくともそのままこじらせて大きくなった芽がいつか開花するだけの話だろうし、それこそ腹の内ぶちまけた大喧嘩でもできればよかったんですけどね、なぁチェズレイお前に聞いてんだよ。
 ファントムは自分の目的のために思ってもないことができちゃう人だけど、その言動の結果相手が何を感じ何を行動指針とするかまではマジで興味ないんだろうな…自分の目的を達成したら相手に対してはそこで終わりというか、その後自分の敵となる可能性があるチェズレイなんかは厄介だからという理由で警戒こそすれど、ルークの中で憧れになっている自分の像だとか微塵も興味ないし(それでも全くエドワードの像がブレないのがすげぇとこだが)それをルークが捨てずに大事にしてようがどうでもいいんだろうな…理解はできるが共感はできない、の描き方に筋が通っており、でもって"理解"の部分の解像度はめちゃくちゃ高いからこそ人を信頼させることができる、という描写に説得力があった。これは声優さんの演技スゲェの部分も大きいなぁ 理解の解像度高すぎるからこそ生まれた説得力のある人格に想定外のところまで心動かされてしまう人が出てきちゃうんだなぁってのが面白かった。ジェイスンとかね。


他にも魅力的なサブキャラたくさんいたけど全部喋ってるとキリないのでこのへんで。ノボルさんとこの一家とか好きです。うまく言語化できなくて割愛したけどおれはアッカルドさんのこともすげぇ好きなんだ。